令和元年 第2回定例会一般質問より 性暴力の根絶に向けて

議会質問により実現した平和資料館の上映会と講演会は満員御礼に

平成最後の3月から4月にかけての約1ヶ月の間に、性暴力を受けた事件の裁判で無罪判決が相次ぎました。なかでも、静岡地裁での実の娘を12歳から2年間性的暴行をした罪に問われていた父親の無罪判決に続き、名古屋地裁でも中学2年生の時から実の娘に性的虐待をしていた父親が無罪判決となっています。共通する判決の多くは、本人の意思に反する性交であると認めるものの、抵抗が著しく困難だとは言えないという驚くべきものでした。

子どもたちは、知らない大人にはついていってはいけないと学習しますが、性暴力の多くは親しい関係の大人が加害者であることが大きな問題であることから、性暴力から子どもたちを守るために、セクシュアル・リプロダクテイブヘルス/ライツとともに、性被害の現状や課題解決などにも踏み込んだ性教育の実施、また、新たにできた若者の居場所、「希望ヶ丘青少年交流センターアップス」での性被害への予防教育や相談支援体制、さらに、児童擁護施設や里親から旅立つ若者への就労支援と共に、弁護士など専門家による相談体制を設け、退所後も相談できる体制を求めました。

また、性暴力を根絶するためには、性は人権であり性暴力は魂の殺人であることを周知し、性暴力を個人の問題とせず、社会全体の問題として広く啓発し、加害者をつくらず、これ以上犠牲者をださない土壌をつくる必要があることから、昨年のノーベル平和賞受賞した、性暴力被害者の治療に尽力するデニ・ムクウェゲ医師のドキュメンタリーの映画の上映と講演会などを求めた結果、今年の11月に実現します。

私たち一人一人が傍観者であってはなりません。今後もみなさまのご意見をいただきながら、議会活動を進めて参ります。