児童養護施設「東京育成園」を視察して

区内の児童養護施設「東京育成園」を視察しました。

約4430㎡の広大な敷地に季節の花々が咲き乱れとても恵まれた環境の中にありました。明治29年、東北三陸地方大津波の被災した26名の孤児を、私財を投じて北川波津さんが救済したところから里親的支援が始まりました。

男女混合で、幼児から高校生まで異年齢の子どもたちが7名、男女2名のケアーワーカーとともに暮らし、男女に配慮した部屋の配置にもなっているばかりでなく、普通の家庭のように自由に友達を連れてきてもよいという、まさに地域に開かれた施設でした。

東京育成園の素晴らしいところは、家族をしっかり支援し地域と連携し孤立させないよう努めているところです。施設入所者の9割は親がいる家庭です。親子の関係を修復し家族を再統合させること、子ども中心主義を貫いています。園の平均在園期間は約3年。子どもを「措置」という養護ではなく自己肯定感を高めるよう支援し続け、退園しても里親として支える場所にしています。

世田谷区はこの4月から給付型奨学金フェアスタートが始まりましたが、東京育成園はすでに寄付で賄われている独自の奨学金制度を設けていました。しかしながら、このように恵まれた施設は限られています。昨年は千葉にあるはぐくみの杜も視察していますが、こちらも子どもによりそった支援体制ができた施設でした。本当に第3者が入っていく必要のある施設にこそ視察したいと思っています。ささいなことでも構いません。子どもの権利が保障されていないとおもわれる情報などがありましたら、いつでもお問い合わせください。