区議会 第1回定例会 予算特別委員会 文教委員会所管質疑を行いました。
令和4年第1回定例会&予算特別委員会 文教所管
田中みち子
企画総務所管でも取り上げましたが脱炭素の観点に基づいた自動販売機の設置についてです。区の庁舎や施設に飲料水などの自動販売機その数は66箇所に185台、2700万円の税外収入があるということはわかりました。省エネ技術が進歩しているとはいえ気候危機の問題は待ったなしです。これまでのように利便性の向上と税外収入が見込めれば余裕のある敷地に設置していく区の方針は見直すべきと考えます。
本日は文教所管の質疑です。先般、学校に自動販売機を設置する方向で実証実験を行うとの報告がありました。改めてその趣旨や経緯と脱炭素の観点で教育委員会としてはどのような話し合いがなされたのか、伺います。
生徒会からの要望とのことですが、環境に配慮したライフスタイルを推進しCo2排出量削減を目指し気候非常事態宣言を行なった世田谷区にあっては子どもたちに環境問題と捉えて考え直す機会にすべきではないでしょうか。見解を伺います。
脱炭素化や海洋プラスチック問題を踏まえれば、安易に自動販売機を設置する方向に進む前に、保護者からもニーズが高い水筒などにも対応した浄水器(→給水機)を設置する方向に検討を進めるべきと考えます。見解を伺います。
とりあえず自動販売機を試行設置を行うとのことですが、先の文教常任委員会では特に問題がなければ、令和5年度からは設置を希望する他の中学校へも拡大するという言葉を使ってスケジュールが示されています。気候危機対策を進める世田谷区にあっては見直すべきです。いかがでしょうか?
2050年二酸化炭素排出量実質ゼロを実現するための道のりは容易ではないことは、元環境対策推進課長が一番よくご理解されていることと思います。気候危機対策を進める上では、環境への影響に配慮し行動する職員一人ひとりの意識こそが重要ですので、スケジュールありきで進めず再検討することを要望します。
また、自動販売機の商品については、海洋プラスチックの問題につながるペットボトルがあります。これまでのやり取りの中で、スポーツドリンクなど子どもからのニーズのある飲料水の容器がペットボトルであるためラインナップから外せないとのことでしたが、企画総務では契約前の条件にペットボトルをはずすことはできると聞いています。せめて契約を見直しペットボトルをラインナップから外すべきではないでしょうか。見解を伺います。
地球温暖化への影響は無視できません。再検討を求めて次の質問
HPVワクチンの積極的勧奨に対する教育委員会の対応について
子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウィルスについてはワクチンが有効であると言われています。それについては令和3年第2回定例会でも取り上げ、情報提供の見直しや、定期検診受診率の向上、性教育の推進などを求めました。先の一般質問では、国からの再開による区の対応を質問しました。世田谷区独自の健康調査や実態調査は行わずこれまで通りの把握の仕方を通すことや、被害報告が集まるPMDAからの情報を議会に示すことさえ検討したいと消極的で、その姿勢には問題があります。国の報告では重篤者は1万人に5人、副反応の疑いは1万人に9人(約千人に一人)と、他のワクチンと比べても高い副反応疑いの報告があります。また、国の12月28日付け通知では、自治体での相談支援や医療体制等が整備される前の積極的勧奨に慎重な対応を求めており、相談支援体制のなかには学校との連携も含まれています。そこで、教育委員会としてどのように対応するのか伺います。
HPVワクチンを接種するかしないかを判断したり、接種後の体調の変化にも対応できるよう国のリーフレットを活用するということですが、理解を深める上では被害者の声に耳を傾けることも必要ではないかと考え、一般質問でもHPVワクチンに関するポスターいっぱい運動のポスターの活用など求めました。この間HPVワクチン被害者の支援団体が作成したリーフレット「HPVワクチンのほんとうのこと・ワクチンを打つ前に知っておきたいこと、読んでほしいこと」が新たにできておりとてもわかりやすい内容です。(一部紹介する)学校でのこのリーフレットの活用を提案しますがいかがでしょうか?
国の積極的勧奨再開にあたっては、これから中1~高1の4学年1万2千人に予診票が個別配布されます。とはいえ、ワクチンの成分は勧告中止以前のものと同じで、改良されたものではありません。子宮頸がんは早期発見早期治療ができます。ワクチン以外の選択肢として定期的な子宮頸がん検診を進める必要がありますが、現在の仕組みでは定期検診は20歳以上となっており、子どもたちへの性教育と定期検診はセットで推進する必要があります。これまで求めてきたオンラインでの外部講師による性教育の実施や子宮頸がんの内容についての取り扱いについても合わせて答弁を求めます。
教育現場での大学連携について
世田谷内には大学の学部が17もあり、たいへん恵まれた環境にあります。その専門性は多様であり、それぞれの大学独自の強みを発揮した教育・研究や地域貢献が進んでいますがその実効性や継続性など課題があり、大学側からの提案に対する受け入れ体制の整備が求められます。
先般、区長と大学学長との懇談会が実施され、「教育総合センター開設に向けた大学との連携について」意見交換の場がありました。教育委員会としても参加されたと聞いていますが、大学からはどのようなご意見や提案があったのでしょうか伺います。
たくさんのご提案があったにもかかわらず、具体的な取り組みとして見えてくるものがありません。大学が持つポテンシャルを十分活かしきれていないのではないでしょうか?現状と課題認識を伺います。
学長懇談会での意見などを踏まえて、教育センターを中心とした仕組みづくりをどのように進めていくのでしょうか?
今、答弁にあった特別支援教室専門員については発達に課題が見られる子供たちの障害特性の理解と支援のあり方など専門性が求められます。現在の特別支援教室専門員は、各校に1名で、小学校61名、中学校29名と世田谷区内では90名いらっしゃいます。小学校では平成28年度から中学校では平成31年度から配置されていますが、聞いたところでは、決まった異動年限はないそうで、特別な事情等がない限り、基本的には配置した学校で勤務し続けることになるそうです。一方、各学校に在籍し特別支援教室を利用する子供は3年前の平成30年度から約600人増え令和3年度で1720人(小学校1425人、中学校295人)と年々増加傾向にあり、特別支援教室の円滑な運営を行う上で要となる重要な役目を担う特別支援専門員の効果検証と質の担保が重要です。見解を伺います。
また、虐待や引きこもりに不登校、長引くコロナ禍では生活に困窮する家庭が増え、特にひとり親家庭の貧困率も高く、子どもたちを取り巻く問題は多様化、深刻化しています。子どもたちの最善の利益が保障された環境を目指し、学校や児童相談所・福祉関係機関などの関係機関と協力して解決することが重要と考えます。世田谷区ではスクールソーシャルワーカーを来年度から3名増員し、9名体制になります。スクールカウンセラーでは担えない福祉的視点や福祉的な課題を早期に発見し継続的な支援体制をつくるためには各学校にスクールソーシャルワーカーが配置されることが望ましく、そのための人事育成にも力を入れる必要があります。世田谷区内にはスクールソーシャルワーカーに必要な社会福祉士などの専門資格を学ぶ大学がありますので、大学と連携した人材育成も視野に取り組みを進めることも必要と考えます。見解を伺います。
既存の大学連携事業の課題を整理しながら、具体的に進めていくことを求めて質問を終わります。