世田谷版農福連携に向けた第1歩
国では、厚労相と農水省が農業分野での障害者や生活困窮者、ひきこもりなど就労経験の乏しい方などに対し、就労を進める農福連携の取り組みを始めています。しかしながら、農地や営農者が激減している世田谷区において、農地を活用した農福連携の取り組みを行うことは容易ではありません。都市型の農福連携としてどのようなものをつくりだすのかその手腕が問われています。
区内には水耕栽培によるサラダ菜やルッコラなどを育てる障がい者施設があります。天候に左右されず、障がいの適正に応じた就労により、他の障がい者就労施設よりも高い工賃が支払われ、農作業を通した心身と経済の安定が図られています。こうした就労の場を増やすために福祉作業所における指定管理者選定を工夫する必要があります。また、農作業を通して社会的貢献がしたいという農家が手をあげ、障がい者就労と農業のマッチングができ、4月から交流が始まりました。
こうした取り組みを推進するために、障がい者所管、専門家、障がい者家族会を含む福祉団体含との情報交換の場を設け、農福連携第1号として支援することを求めました。7月から意見交換会の場ができ、世田谷版農福連携のあり方が検討されることになりました。
今後は、障がい特性に応じた指導力や移動手段など課題が残りますが、移動手段においては、話題の廃油を利用したバスを導入し、ラッピング広告を採用するなど提案し、だれもが働く場と生き甲斐を得られるよう農福連携を推進していきます。