「生活クラブ風の村 はぐくみの杜君津」

児童養護施設「生活クラブ風の村 はぐくみの杜君津」へ視察に行きました。

   2歳から18歳までの親と暮らせない子どもたち40人が暮らす施設です。ここでは箱型の施設ではなく、家庭的な雰囲気のなかで生活ができるようこだわって設計した6つのユニットからなっており、一つのユニットには家族のように異年齢の子どもが8人、そこに4人の職員が交代でついています。スタッフは低年齢の子どもとは一緒にお風呂にも入り、寝るもの一緒とのことで本当の家族のように暮らしていました。全国から集まる30名のスタッフに支えられていますが、20代の若い職員が多く、学校卒業してから急にお母さんのように家事全般から夜勤までをこなす過酷な現場であり、福祉系の職業のなかでも低賃金となっていることからも定着率は低いそうです。虐待の保護がままならないなか、今後はこれまでの箱型の施設ではなく、このような家庭的な雰囲気のなか養育できる小規模な施設が増えていくとのことですが、このような素晴らしい環境が提供できる施設は容易にできるものではありません。
 

   9月の第3回定例会での一般質問において、全国で、4万6000人にものぼる社会的養護が必要な子どもの9割が施設養護である現状を訴え、家庭養護の推進にむけ、「子ども子育て応援都市宣言」を掲げる世田谷区がリーダーシップをとって、里親へも育休取得できるよう養育里親も含めた自治体独自の育休制度を設けるよう都への働きかけを求めました。世田谷区には13家庭の里親がいらっしゃいますが、まだまだ里親制度の認知度は低く、周知の工夫が必要です。

   養護施設退後については、できる子の支援は整ってきているものの、できない子、社会に溶け込めない子どもたちへの支援がまったくない現状で、ホームレスや施設退所者を狙った風俗産業など裏の世界へつながってしまうことが問題と指摘されています。世田谷区では、施設養護退所者への住宅支援が寄付の給付型奨学金がはじまりますが、地域で子どもたちを見守り、支え、交流する場をつくることも必要です。

   どのような家庭環境にあっても子どもの養育に差が生じることがないよう、子どもの成長を見守り、支えるしくみを実現していきたいです。