住み慣れた地域で安心して暮らすために

一人暮らしのお年寄りや、高齢夫婦のみの世帯が増えるなか、自宅の居間と台所を地域に開き、誰もが身近で集まれる居場所を提供している世田谷地域共生の家「こめこめ庵」へ行きました。毎週水曜日に「こめこめカフェ」という名称でサロンを開催しています。この日も20人ほど集まった方々に、ボランティアで集まるスタッフが美味しいお食事を提供してくれます。

こちらのオーナーの米村さんは86歳。お話がとても楽しくて、なんと、64歳から始めた水泳で指導資格まで取得したというんですから、そのパワーには脱帽です。何事も妥協せず、継続する米村さんの姿勢が伺い知れます。「来たい人が来て、楽しんで帰る。それで十分!」という米村さんのおもてなしは、スタートしてから25年だそうです。ご近所の方ばかりでなく、毎週楽しみにバスで通われる方もいらっしゃり、じっくり時間をかけて顔の見える関係性を築いてこられています。

最近あちこちで自宅を改装し、地域に解放する試みがありますが、運営を維持することは難しいと言われています。この日も、テレビ局が取材に訪れていましたが、継続できるヒントは「こめこめ庵」にあるようです。

こめこめ庵のサロン運営は、「NPO法人自立支援センターふるさとの会」が行っています。歳を重ね健康に不安を感じ、思い悩んでいた時に、たまたまテレビ番組で紹介されていた NPOの取り組みを見て、「これだ!」とピンときて即断即決されたそうです。こちらの運営の素晴らしいところは、地域リビングとしての日常の居場所だけでなく生活支援や医療、介護などの社会サービスの相談窓口として機能していることでした。これまでの積み重ねのなかで、自分たちの居場所で気軽に相談ができる総合相談窓口の役割が自然とできあがっているということです。ここに来れば、それぞれの相談に応じた専門家が困りごとの相談に乗ってもらえるとなれば、とても心強いのではないでしょうか?今後は、サロンを中心に支援付きアパートや空き家を活用して、24時間の見守り・生活支援を整備し、「寄りそい地域」を目指しているそうです。

世田谷区は、住まいサポートセンターが空き家の情報提供や民間に委託した見守りサポートと連携し、同じような取り組みを行っていますが、今年のサポート件数は7件とまだまだ少ない状況です。東京都では住宅に困窮し、日常の自立生活に不安のある高齢者に対して、すみなれた地域で安心して暮らせるよう、住まいの確保と見守りなどの生活支援を一体的に提供する取り組みに対して補助が出る事業がスタートしていますが、世田谷区ではこの事業には手をあげていません。これまで以上に、不動産関係団体と 地域で活動するNPOが連携し、空き家問題と認知症などの高齢者問題を同時に解決する取り組みが充実するよう、次の質問づくりに生かしていきます。

また、昨年の予算特別委員会でも取り上げたましたが、福島県の応急仮設住宅供与期間が来年の3月末で終了します。震災による世田谷区への避難者は157世帯、259名となっています。このうち、45世帯、105人が区の提供する区営住宅や世田谷の家、民間の借り上げ賃貸住宅の応急仮設住宅に入居しています。被曝を逃れて世田谷区へ暮らす人々への支援の手が差し伸べられるよう、空き家などを活用した地域の力をいかした対応も求めていきます。